研究紹介

●沿岸域の海洋環境の研究

沿岸域では、どのような現象が発生しているのか。沿岸域の物理現象は、生き物の生存戦略や生活史、人々の暮らしにどのように関わっているのか。わたしたちは主に海の流れや水温、塩分など海の水循環や物質循環の視点から、沿岸域の環境について研究を進めています。


沿岸域の環境を見つめる仕組み作りに興味があります。観測機器やICT技術の発達、人工衛星を用いた観測やシミュレーション技術のめざましい発展は、沿岸域の環境を見つめる仕組みを急激に高度化、大衆化させています。どのような仕組みがあれば、海の環境や海で働く人たちに役立つのか。研究室で、海の現場で研究を重ねています。


沿岸域の流れやその流れが発生する自然の持つ仕組みに興味があります。海の流れやその流れが発生する仕組みは、未解明な部分が多いです。海洋の観測は陸上と比べて困難ですが、現地観測やデータ解析、シミュレーション結果の分析などから、海の流れの特徴と発生メカニズムを明らかにする研究に取り組んでいます。


地球規模の環境変動や人間活動が、沿岸域の環境に与えている影響の評価に興味があります。地球規模の環境変動の影響は、わたしたちの近くの海でも起こっていますが日々の生活のなかでは見過ごすことが多いと思います。近年増えているクラゲの調査をしたり、漁場や水質汚染が進行している海域の調査をして、その実態を把握したいと考えています。


沿岸域の環境を見つめる仕組み作り

 -沿岸環境モニタリングの手法と適用方法-

海洋環境のモニタリングや予報について関心があります。人間の活動域である沿岸域の海の様子の変化を把握し、その対策について考えることは重要であると考えているからです。

上の写真:研究グループで運営する海況情報のサイトです。リアルタイム観測ブイの運営も行っています。

中段の写真:若狭湾の流れは予報されています。モデル開発を直接すすめてはいませんが、どのように予報を見れば良いのか?、他の大学、研究所のモデル開発チームと協力して研究を進めています。

下の写真:当研究グループのリアルタイム海洋観測ブイ。みんなで協力して設置、回収、メンテナンスをします。


沿岸域の流れやその流れが発生する自然の持つ仕組みの解明にむけて

沿岸域では、さまざまな種類の流れや現象が発生しています。その流れや現象の特徴や発生メカニズムを明らかにしたいと考えています。

上の写真:若狭湾の定置網漁場での観測.流れや水温の変化について、調査を進めています。

下の写真:プランクトンを採取する様子。魚探やADCP(超音波ドップラー流向流速計)のように音波をつかう機器を利用すれば、水中の懸濁物量の変化や生物の存在を確認できる可能性があります。そのような場所のプランクトンの調査をしているところです。

いろいろな海域を調査対象としてきました。また、幸いなことに、わたしたちの大学の近くには有名な漁場である若狭湾や、玄達瀬などの越前海岸沖が拡がっています。探究心を大切に、各地の海域で研究を進めています。


地球規模の環境変動や人間活動が、沿岸域の環境に与えている影響の評価について

沿岸域の環境は、地球規模の環境変動の影響を大きく受けているようです。しかしながら、地球規模の環境変動に対して、沿岸域がどのように応答しているのかよくわかっていません。新たに顕在化した沿岸域の現象を調査することを行っています。

上の写真:若狭湾で発生した赤潮の写真。赤潮やクラゲの発生、漁獲される魚の変化に着目し、物理環境の変化とその影響について検討します。

下の写真:タイでの調査も行いました。貧酸素水塊の挙動と河川流量の変化の関連性に注目しました。お手製の竹を利用した観測システムです。




海をみながら、海と人々の暮らしの関わりを感じながら、研究は進めます。

調査中に出会った生物たち。プランクトンを研究で扱う学生は採取することもありますし、漁場環境を研究対象とする学生は流れと生物の関係について推察します。生き物をフィールドで見ることが好きな学生も多いです。

研究を通じて、専門分野のみならず、チャンスを上手く生かして楽しむ力も身につけて欲しいです。